トレイルランニングを通じたまちづくり

ライフスタイルとしてのスポーツへ

裏山遊びの推奨

逗子には裏山がたくさんあります。池子なら神武寺鷹取山ルート、沼間なら二子山、新宿・小坪であれば、披露山。久木ならやまなみルートと各地域にたくさんのトレイルがあります。
これ以外にも古墳のある蘆花記念公園、名越の切り通しなどちょっと足を延ばすだけで、絶好の遊び場が文字通り山とあります。基地を作ったり、探検ごっこをしたり、子供たちの想像力にかかればトレイルは無限のフィールドです。また、ただ遊ぶだけでなく、何をしたら危ないか、どんな危険があるのかを学ぶことができます。

遊びを通じて、年齢を超えたコミュニティの醸成、土地勘が養われ、そして、人が入ることで道も踏み固められしっかりとしていきます。遊びを通じて、登山道の整備につながるのです。これは考えたくないことですが、災害が起きていざという時には逗子では土地柄から高台へ避難する必要があります。その時に「てんでんこ」で逃げなければなりませんが、日々、遊んでいる子供たちは自分たちで判断して逃げることができるようになるはずです。遊びの中にこういった要素を自然と盛り込むことで自立したたくましい子供たちに成長してくれるはずです。

家族で楽しむことの大切さ

四季の変化に合わせるように、自然もその姿を変えます。春になると緑が顔を出し、夏は驚くほどその緑が成長します。秋には徐々に紅葉し、そして落葉。冬になるとその落ち葉を踏みしめ、木々に隠されていた景色が顔を出します。季節ごとに風景が変わり、季節ごとに楽しみ方が違う。日々の変化を肌で感じ、それを発見する。何より、子供達は大人にない視点をたくさん持っていますし、保護者にとっては成長していくお子さんたちの姿を目の当たりにできるはずです。保護者が安全に見守る以外に関してはむしろ子供達から教わることの方が多いかもしれません。こういった経験は人の手によって全てが作られたものの中でなく、自然の中に身を置くことで初めてなし得るものです。家族で感じることはかけがえのない経験になりますし、トレイルが身近に溢れる逗子ならではの楽しみ方です。

次世代育成の鍵を握るのはシニア

里山整備や里山遊びを考え実践していく際に今課題になっているのは、知恵と経験の伝承です。子供時代に自然の中で遊んだり、畑仕事、里山の手入れをした大人が圧倒的に足りていません。今から大人世代に伝承をし、そこから、さらに子供たちに伝承をするのはあまりにも時間がかかり、効率的ではありません。そこで、シニア世代には是非とも大人世代を飛ばして子供たちへたくさんのことを伝える役割を担ってほしいと思っています。子供時代は多感で物事をスポンジが水を吸うように吸収していきます。そのために旗振り役として、その役割を担うのはシニア世代です。それにより、外遊びや里山に関する手入れなどの知恵と経験が子供たちはもちろん、その先の世代に伝承をすることができます。

ライフスタイルにしよう。

 

良い天気の日は見晴らしに登って日没を眺めたり、新緑の季節は眩しい緑を楽しみ、また、冬は落ち葉をサクサクと踏みしめる。季節によって植生が変わり、景色が変わる。こういったことはトレイルに足を運ぶことで初めて気がつく、感じることができます。自然の中に身を置くことは五感を研ぎ澄ませ、心を豊かにしてくれます。慌ただしい時代だからこそ、こういった過ごし方が後々の人格形成や穏やかに楽しく暮らしていく上ではな欠かせないと考えます。ぜひ「海の町」改め「海と山の町」逗子をこれからも楽しみましょう。より多くの方がトレイルに足を運んでくださることを願っています。 

 2017/12/20


Little Free Library

身近に本のある環境を

 

 この夏の遠征でコロラドに行ったときのこと。

街中にあるこれを見て、とても驚き、「これを帰ったら絶対に作る!!」そう心に決めました。

little free libraryと言って本を自由に借りて読んで戻すという仕組み。

 

「take a book,return a book」

「自由に借りて読んでね、読んだら戻してね。」

 

ルールはそれだけ。

 

9月に入ってから、徐々に作り始め、そして今日やっと完成しました。

我が家の前は通学路になっているので早速中学生が借りて行ってくれてもう大感激。

コロラドで見たときにビビッときて

何も考えずにとりあえず木材を買いに行って

(設計図書かないの?と驚かれました。)

ざっくりの分量でのこぎりで切ってノリでどんどん組み立てて

ペンキは友人が貸してくれて

見かねた義父が手伝ってくれて

足りない材料があるので商店街を転々として新たなお店を見つけて

材木屋さんや土建屋さんで交渉して材料を手に入れて

組み立てたらうまく立たなくて、

また買い出しに行って

何に使うの?と聞かれ家の前で説明したら面白がってくれて

散歩のついでに行くよと言ってもらえて

 

 

ああ、街で暮らすということは、こういうことなのか。」

というたくさんの気づきと出会いがあって

最初から最後までが僕にとって変え難い経験となりました。

 

この文章や通りすがりにlittlefreelibraryを見て同じように誰かがワクワクしてくれたら嬉しい。

 

本を読む楽しさが一人でも多くの人に届きますように。 

 

2017/9/30  


スポーツ文化100年構想

長期的な視野を

 

 1993年、サッカーJリーグが発足。

 

「Jリーグ百年構想 ~スポーツでもっと幸せな国へ。~」

 

というスローガンのもと、地域におけるサッカーを核としたスポーツ文化の確立を目指す計画のことです。

スローガンの中身は大きく3つ。大変素晴らしいので以下に紹介します。

 

・あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること。

・サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブを
 つくること。

・ 「観る」「する」「参加する」。スポーツを通して世代を超えた触れ合いの場を

 広げること。

 

何が素晴らしいと感じたか?

 

1つ目。100年先にどうありたいかということをイメージして、取り組んでいることです。もちろん、短期、中期、長期で計画を立てて世の中の多くの物事は進められています。しかし、そこに骨を埋める覚悟がなければ、短期的な結果・経過に振り回されます。私たちは何者で何を目指しているかということをシンプルな言葉で表現し、行動することは意外と難しいものです。

 

2つ目。夢があること。僕はこのスローガンを読んだ時に心の底からワクワクしました。人はワクワクすれば、前向きになります。仕事においては生産性が高まるというデータもあります。夢を持ち、ワクワクすることというのは生きていく上でとても大切なものなのです。

 

 逗子は海と山が暮らしに隣接している町です。マリンスポーツでは逗子海岸を中心に様々なアクティビティが楽しめます。また、ウインドサーフィンのトップ選手もいます。山でも同様です。トレイルランニング(裏山遊び)には抜群の環境ですし、手前味噌ですが僕も2013年よりマウンテンランニングという種目で日本代表を務めています。趣味で楽しむことも競技として取り組むことも容易な可能なとてもめぐまれた環境に僕たちは住んでいます。身近に親しむ人が増えて元気いっぱいの人が増え健康増進につながるだけでなく、自分達が住む町から、世界に羽ばたく選手がいることは次世代の育成にもつながります。今、あるフィールドを大切に皆で守りながら使うことでその可能性はどんどん広がります。是非とも、逗子を海と山とそしてスポーツがライフスタイルとして気軽に楽しめるまちにしましょう。

2017/12/20 


世界幸福度調査

住んでいることを自慢できる街に

 


 みなさんは「世界幸福度調査」をご存知ですか? 簡単に言うと、世界各国で行われている調査(2017年は156か国)で「現在、幸せだと感じている人の割合」を示したものです。
 
 上位に入るのは北欧を始めとするヨーロッパの国々、そして中南米の国が多いのが特徴。日本は51位と先進7カ国の中では残念ながら最下位。経済力もあり、平均寿命も長く、治安も良い。それでも民族性なのか日本人は謙遜して、幸福を表明することを避ける民族性なのかもしれません。


 
それでは、日本の各自治体ごとの「幸福度調査データ」があれば面白いと思い調べてみましたが、残念ながらそのような調査は見当たりませんでした。あくまで私見ですが、仮に幸福度調査を日本国内で行ったとしたら、「逗子市」は結構良いところに入るのではないかと考えます。現在、逗子市は財源不安をはじめとして乗り越えていくべき課題は山積していますが、それでも、日々、美しい日没を眺めることのできる海岸があります。少し足を伸ばせば眺望の良い見晴らしがあります。加えて、コミュニティの繋がりの充実度、人との繋がりの逗子の強み。こういった感動や繋がりは何ものにも代え難いものです。身近に溢れる逗子の魅力を再認識・再発見し、力を合わせて後世に魅力的なまち逗子を残していきましょう。

 今回の考えのヒントになったのは友人が勧めてくれたこの本『世界幸福度ランキング、上位13カ国を旅してわかったこと』です。Little Free Libraryに蔵書していますので、気になった方は是非読んでみてください。

2018/2/7


つなぎての担い手に

「このままではまずい」と「どうせ無駄」の間をつなぐ

 


 毎日の暮らしは忙しく、いろいろ関心ごとはあってもついつい後回しにしてしまったり、目を背けるつもりはないけれどなかなか手をつけられずにいる、なんて事は誰しも一つや二つあるのではないだろうか? 今日はハッとさせれる一文を読んだのでそれを紹介したい。読んだのは湯浅誠氏の『反貧困』。
 
以下引用。

 「このままではまずい」と「どうせ無駄」の間をつなぐ活動を見つけなければならない。そうした活動が社会全体に広がることで、政治もまた貧困問題への注目を高めるだろう。関心のある人だけがますます関心を持ち、関心のない人たちが関心のないままに留め置かれるような状態を乗り越えたい。(以上引用)

 この本のメインテーマは「貧困」であるが、文中の「貧困問題」の語は他の問題にも置き換えられると思う。日々忙しく暮らす中でも、時に空を見上げたり深呼吸をしたり、忙殺されるだけでなく、どこかにほんの少しでいいから気持ちの余裕を持つことを忘れないようにしたい。そのほんの少しの積み重ねが世の中を優しく魅力的な方向に導くきっかけとなる。僕はそう信じている。

 

2018/3/15


『地元経済を創りなおす』から

提案・プロジェクト化のその前に


 日課の読書から。昨日に引き続き、今日も学びの多い本に出会えてたので是非ともその学びを共有すべく。メインテーマは地域経済をいかに立て直していくか?
その中で、様々な地域の事例や「漏れバケツ」モデルに基づく問題解決の提案…触れたいことは山とあるのだが、僕自身つい陥ってしまいがちな部分を引用します。

 

 
以下引用。

 日本各地のさまざまな取り組みを取材していると、「これが問題だ」と課題を認識すると、すぐに「それを何とかするためのプロジェクトを立ち上げよう」。とプロジェクト化に飛びつくことが多いように思います。*トットネスでは、すぐにプロジェクト化するのではなく、「課題」の全容や背景、構造を丁寧に調査して報告書にまとめ、その上でプロジェクトを考えていきます。みんなが共通認識を持つことができ、たとえ人が入れ替わっても、同じ認識でプロジェクトを進めていくことができます。(以上引用)*トットネス:本書に事例として紹介れるイギリスの街

 僕は思い立ったらどんどん行動していくタイプ。しかし、最近は同じように本を読んだり、資料を読んでも今までと違った部分が読める(読み取れるというべきか)ようになってきた。まだまだ足りないけれど、データを集めてそれに基づいて分析し、提案をした方が説得力を持つことは間違いない。だから、僕は自身の情熱に加え、説得力を身に付けたいと思っている。そんな今だからこそ、身にしみた。僕はこの部分を引用したが、全体を通して大変学びの多い本なので是非とも多くの方に読んでいただきたい。

2018/3/15


図書館の話

4月からの緊急財政対策を前に

 


 4月から緊急財政対策の取り組みとして、図書館は18時閉館、火曜休館、駅にあるブックポスト廃止となる。本の虫の僕にとっては致命的。18時までに借りるのってかなり厳しい人が多いと思う。

 例えば、貸し出し返却カウンターを時間限定で1箇所にする、開館時間をずらすとか、色々な方法があると思う。なかなか借りに行けない人は駅でついでに返せるのは大きいし。そもそもブックポストの稼働率や18時以降の貸し出し返却がどの時間帯よりも圧倒的に少ないとかならまだ話は違ってくるけど。読書習慣は、いや、読書に限らず習慣は積み重ね。長い目で見た時に気軽に本を読むのが難しい環境になる事はとても不安です。

 大人も子供も気軽に本が親しめる環境をどうにか維持したいと思っています。

 

2018/3/16